活動報告

経団連 企業人政治フォーラムにて講演しました

5月21日、経済団体連合会の若手政治家との政策懇談会において、「小泉改革を加速させる経済再生戦略」と題した講演を行いました。以下はその要旨です。

【小泉経済政策の評価】

小泉構造改革は主として既得権益を清算し、それを新しい活動の原資に振り向けるようとした。国民も「痛み」ではなく「励み」と感じたからこそ、驚異的な支持率を得ていた。しかし、政権誕生から1年余り経った今、理念や具体的政策、優先順位やスピードに疑問が生じている。今必要なものは、新しい政策の機軸を明確にする建設的な政策論争である。

 

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【経済再生戦略】

経済再生のためには、
攻めの構造改革として

1.需要創出型構造改革、
2.経済の環境整備、
3.新しい財政の構造改革、

守りの構造改革として

4.金融と産業の再生、

の4項目が重要であり、攻めと守りを同時に行なうことが肝要である。

【攻めの構造改革】

需要創造型構造改革として、戦略的な規制緩和の推進、行政から民間への業務委託、電子政府・電子自治体化、ターゲット・ドリブン型研究開発、産業の競争力強化とサービス経済化の推進を実施する。
経済の環境整備には、相続税、贈与税の見直し、個人投資家の育成と税制改革を中心とした個人金融資産の活用、わが国の国際収支構造の変化に基づく対外経済戦略のパラダイム転換が重要である。
新しい財政の構造改革には、包括予算化や、政策効果の説明責任を厳しく問う制度、シーリング制度に代わる歳出コントロールの枠組み導入、公会計制度改革を盛り込んだ、新「財政構造改革法」を制定する。

【守りの構造改革】

守りの構造改革である金融と産業の再生には、以下の3点を実施するべきである。

1)銀行再生のため、新旧勘定分離で不良債権を最終的に解決する。
2)中小企業への資金供給のため、資金仲介に新タイプの金融機関を創設する。
3)成熟産業再生のためリスクマネーを強化する。

具体的には米国では20兆円市場であるプライベート・エクイティ・ファンドを育成する。