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■2012/06/07 『日本再生へ。私の処方箋。』 2012年号外

■日本再生へ。私の処方箋。
野田総理は2度目の内閣改造を行い、「社会保障・税一体改革」に政権の命運をかける姿勢を鮮明にしています。ただ、この政府案には3つの大きな問題点があります。(本文へ)■伊藤達也の実績・成果
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■日本再生へ。私の処方箋。野田総理は2度目の内閣改造を行い、「社会保障・税一体改革」に政権の命運をかける姿勢を鮮明にしています。ただ、この政府案には3つの大きな問題点があります。
まず、この「一体改革」は、バラマキの後始末を国民に埋めさせるものに過ぎません。政権交代後、税収は8兆円減る一方、歳出規模は15兆円に増えました。バケツに穴が開いたままでは財政再建につながりません。政府は2020年に借金に頼らず国の予算を組める状況にすること(基礎的財政収支の黒字化)を目標としています。しかし目標達成のためには、消費税10%でも足らず、17%まで増税する必要があるのです。さらに社会保障も良くなりません。5%増税分のうち4%は財政赤字の穴埋めで、社会保障の充実に使われるのは1%分だけです。そしてもっとも懸念するのは、経済への影響を考えていないことです。1997年、復興景気の腰を折った橋本増税の教訓に学ばねばなりません。
実は、増税しないで財政が急激に良くなった時期があります。2003年から2008年です。このとき経済財政運営の責任者の一人として、私は財政再建に努めました。経済を良くするために不良債権問題など構造的な改革を断行すると同時に、5年間で11~14兆円の行政の無駄を省く歳出改革プログラムを策定しました。その結果、増税をしないで財政再建の目標にあと一歩のところまで道筋をつけたのです。(裏面をご参照ください)世界の財政再建には大きな成功の法則があります。公務員人件費に踏み込むこと。そして、歳出削減と増税の割合を7:3にすることです。しかし、今の政権は、増税一辺倒で、歳出改革の努力をどの程度行うのか一向に示さないままです。
経済を良くし、無駄を省くことで、できるだけ借金に依存しない財政状況を実現し、増税分は全額社会保障の充実に使う。これがこれまで私が取り組んできた経済財政運営の考え方です。消費税5%分で社会保障をどう良くするのか。すでに3年前、私が総理補佐官として担当した社会保障国民会議でメニューを示しています。たとえば、基礎年金を7万円にし、最低保障機能を強化すること。救急医療体制も15分で搬送できるよう充実すること、在宅医療や介護施設もスウェーデン並みにすることなどです。
消費税を巡って日本政治は大きな岐路に立っています。日本再生のため自らの信念に基づく処方箋を示し、これからも愚直に訴えてまいりますので、さらなるご指導を賜りますようお願い申し上げます。