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■2010/05/05 『成長なくして安心なし。』2010年5月号

■成長なくして安心なし。
過日、来日したある国の政治指導者から、「日本は新興衰退国だ」と率直な指摘を受けました。(本文へ)■新著「総理官邸25時(仮題)」いよいよ6月初旬、刊行へ■活動報告■達也の直球勝負

□成長なくして安心なし。
過日、来日したある国の政治指導者から、「日本は新興衰退国だ」と率直な指摘を受けました。昨年は、5%のマイナス成長で戦後最悪の景気後退に苦しみ、いまだ景気回復の足取りは鈍く、デフレから脱却することもできません。先進国最悪の財政赤字はさらに拡大し、急速に進む少子高齢化が日本に襲いかかっています。
大きな期待を受けて船出をした民主党政権が発足して8ヶ月。しかし、一向に有効な手を打てないでいます。総理の発言はぶれ、改革を進めなくてはいけない官僚の意見はばらばら。危機感すら感じられない。さらに、金融社会主義の号砲を鳴らす郵政再国有化。これでは「新興国衰退」と世界から見られても仕方ありません。
一方で、自民党は最強の野党としての存在感をまったく示せないまま、離党だ、新党だと右往左往してたのでは信頼を回復することはできません。自民党が民主党を批判しながらも、民主党化している現状には強い危機感を抱きます。民主党と同じ土俵の上で、分配の仕方に文句をいっている。富をどうやってつくり上げるのか考えなければいけないときに、高度成長期と同じ発想で分配の政治を志向していてはだめなのです。
そんな日本の政治の閉塞感を打開できるかどうか。大きな瀬戸際に立たされています。「成長なくして安心なし。」財政規律を守りながらも、成長力を高め、成熟社会での安心を実現していく政治。経済の再生と社会保障改革を同時に進めていくことができる。力のある政治を、志のある政治家とともに実現していきたいと思います。