活動報告

日米議員交流の具体化へ【訪米報告①】

6月13日、米国デビン・ニューネス連邦議員(下院・共和党)と面談し、自民党国際局がすすめる日米議員交流について意見交換を行いました。ニューネス議員は、今年3月に設立された米日議員連盟の共同議長です。党国際局では、議員の選挙区における交流も重視しています。そこで今回は、ニューネス議員の地元テュラーレ市(カリフォルニア州第22選挙区)を訪ねました。テュラーレ市はサンフランシスコから南東へ車で3時間半(だいたい東京―名古屋間の距離)に位置するカリフォルニア中部の市です。

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ランチミーティングに先立ち、議員自ら大型乗用車を運転し、周辺の農場地帯を1時間以上、案内してくれました。

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広大な牧場やナッツ畑を回りながら、以下のような説明をしてくれました。シリコンバレーで開発された最先端技術を農業に活用していること、NAFTA(北米自由貿易協定)締結を機に、競争力の高い農産品にシフトしてきたことなどが大変印象に残りました。

(1)近年、酪農からアーモンド、ピスタチオ等のナッツ類の生産に移行する農家が増えている。この理由としては、これらの作物を作った方が儲かるからである(廃業した酪農農家の牛舎跡も視察)。

(2)ピスタチオについては、トゥラーレ市を含むサンホアキンバレー及びイランでしか生産できないため、現在供給が需要に追いついていない状態である。

(3)当地の農業ではITを駆使している。グーグルが推し進めている自動運転のような技術は昔から当地における農業で利用してきたところである。例えば、耕作地に効率的に水を供給する際には一方を高く他方を低くし、緩やかな傾斜にする必要があるが、広大な耕作地で水が滞りなく流れることを担保するため、耕作地の中心地にアンテナを立て、そこから耕作地中にレーザーを発信し、水の通り道が平らになっているかどうかチェックしている。仮にレーザーで平らになっていない部分を発見した場合には、平らになるよう土を均し、水の流れが円滑になるよう管理している。他にも、耕作地の中を動く大きなトラクターにGPSを搭載することで、まっすぐ運転することを可能にしている。

(4)カリフォルニア中部のセントラルバレーのフレズノからベーカーズフィールド間には、約1500戸の農家が所在している。現在は、昔からあった小さな農家が集約・統合され、大規模経営の農家が増えている。これらの農家はいずれも個人事業主であり、企業形式の農家は存在しない。

(5)当地の農家はかつて時の政府が特定の作物を作るよう指示すればそれに従って耕作し、政府から補助金を得る方法で農業を行っていたが、NAFTA成立以降は、農家自身が利潤の最大化を追求し、一番儲かる作物を作るようになった。自分(ニューネス議員)も一時期兄弟とともに飼料用干し草関連ビジネスや酪農に携わったことがある。