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■2008/05/07 voicenet ミニ 5月7日号

・日本の医療を考える

4月24、25日に能登半島北部の地域医療施設を視察しました。この地域では住民の方の4人に1人が65歳以上です。2015年頃、国全体が同程度の高齢化率に達する見込みなので、近い将来の医療の課題に先行して直面されているとも言えます。そうした奥能登にあって、革新的な病院経営とシステム改革により、住民の方のニーズに応えて質の高い医療サービスを提供されている恵寿総合病院へ伺いました。

ここでは、診療材料や薬剤のIT管理による効率化をはかると同時に、地域の医療機関や介護施設などと電子カルテをオンラインで共有し、予防から検診、急性期、回復期、維持期、在宅医療のワンストップサービスをめざしています。何でも看ることの出来る家庭医の育成にも取り組んでいます。

人口減少と高齢化が進む状況では、地域にあるすべての医療機関がすべての診療科をそろえているような今まで通りのあり方を続けていくことは現実的に難しくなります。病院単位ではなく、地域全体で医療や介護サービスをいかに提供するかという発想が必要です。集約と医療機関の役割分担が求められていくのだと思います。
地域の住民の方のニーズに応えられるような地域の医療体制を支援する政策をパッケージにして、地域医療の構造改革を進めていく必要があると感じました。

 

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