VOICE NET

国会活動報告 【1月】

活力と誇りある国づくりに向けて
旧年中も大変お世話になり、ありがとうございました

昨年は、今後の日本の成長力と財政再建の道筋を決める重要な方針の策定に中心的に携わりました。そして、増税でもバラマキ路線でもない、歳出削減と成長戦略を一体的に取り組む経済財政一体改革へ道筋をつけることができました。今年は、活力と誇りある国づくりに向けて、「成長国家日本」「地域主権国家日本」「国際貢献国家日本」を構築するため、全力で取り組んでまいります。

日本経済が高い成長を持続することができるよう、具体的で力強い政策を推し進め、欧米並みの経済成長、つまり2~3%の実質成長を実現していく必要があります。今、手を打たず低成長に甘んじていれば、15年後には中国に逆転され、日本は小さくなるパイを分け合うだけの黄昏た国になってしまいます。やはり日本の進むべき方向は、経済成長を維持できる活力あふれた国をめざす道です。「成長国家日本」を実現するため、オープン、イノベーションをキーワードに、アジアの成長を日本の成長に取り込んでいくと同時に、地域経済を立て直し、規制改革、税制改革、市場化テストの積極的な実施等、民の活力を最大限引き出す政策を推進してまいります。

さらに、「国から地方へ」の流れを加速し、地方が地域の特性を生かすアイデアで新しい成長をつかんでいく仕組みをつくっていかなくてはなりません。具体的には、基礎自治体の機能を強化しながら、道州制の本格的な導入が求められます。道州府には、中央が持つ財源と権限、人材が回ることになると同時に、二重行政の是正による公務員数削減も可能となります。国地方支分局21万人の半分は減らせるという試算もあるほどです。こうした取組みを進め、「地域主権国家日本」の構築に努めます。

他方、わが国は、資源・食糧の多くを海外に依存しています。国際益が長い目で見れば国益につながる、という認識の下、世界の国々から尊敬されるような「国際貢献国家日本」をつくってまいりたいと思います。

新たな挑戦の年、自らの使命を再認識し、持てる力を出し切って行動していく覚悟です。引き続きご指導の程心からお願い申し上げますとともに、皆様の更なるご発展とご多幸をお祈り申し上げます。

   2007年1月衆議院議員 伊藤達也
衆議院 財務金融委員長に就任

安倍政権の発足とともに、衆議院の財務金融委員長に就任し、国会運営の責任者となった

日本の議会運営は委員会中心主義といわれ、衆参両院に17の常任委員会が設置されている。議会に提出された法案は委員会に付託され、そこで実質的な審議を行った上で、採決を経て本会議へ送付され、法律となる。

 

○ 信託法改正

財産を別の人に託して管理や運用をゆだねる「信託」制度の基本法である「信託法」を84年ぶりに改正した。これは、04年12月金融担当大臣時代に改正した信託業法に続く抜本改正で、規制緩和の総仕上げとなる。
改正信託法は、企業が事業部門の資産と負債をセットで信託できる「事業信託」、特定の目的を指定して財産運用や処分を依頼する「目的信託」、個人や企業が勘定を分けて自分で管理する「自己信託」など新しい概念を盛り込んだ。

 

○ 貸金業法改正

11月17日、衆議院財務金融委員会で、 ①JR神田駅周辺の消費者金融雑居ビルとプロミスの無人契約機の視察、②三井住友銀行における銀行と消費者金融の提携状況のヒアリングを行った。
こうした視察や参考人からの意見聴取などを含め、衆議院では約30時間審議を重ねた結果、改正法が成立した。
改正のポイントは、参入条件の厳格化、貸金業協会の自主規制機能強化、行為規制の強化(自殺を保険事故とする生命保険の付保禁止など)、指定信用情報機関の創設、貸出金額の総量規制、出資法上限金利の20%への引下げによるグレーゾーン金利廃止、ヤミ金に対する罰則強化などである。

 

「成長国家日本」へ

日本経済についてノーベル経済学者と論じる

11月14日、中川秀直幹事長とともにローレンスR.クライン・ペンシルベニア大学名誉教授(1980年ノーベル経済学賞受賞)ならびに熊坂侑三先生(ITエコノミー・アドバイザーズ代表取締役)と、今後の日本経済について懇談した。
クライン教授と熊坂先生は、90年代半ば、米国経済の潜在成長率は2~2.5%という悲観的見方が主流の中、進行中の景気回復が従来とは異なり、ITによる生産性向上のトレンドがあることに気づき、それを「 The Rising Tide(上げ潮)」と題して出版した。
昨年5月には、「日本経済には、潜在成長率3%の実力がある」との研究をまとめている。安倍政権の「成長なくして日本の未来なし」という基本方針の背景には、この研究成果がある。

 

「国際貢献国家日本」への取組み
○インドネシア、ベトナム、マレーシアへ

昨年 7月30日から8月5日まで、インドネシア、ベトナム、マレーシアを訪問し、現地に対する政府開発援助現場の視察、閣僚や中央銀行総裁等、要人との会談を行った。
昨年5月には、「日本経済には、潜在成長率3%の実力がある」との研究をまとめている。安倍政権の「成長なくして日本の未来なし」という基本方針の背景には、この研究成果がある。

○対外経済協力特別委員長として

伊藤が委員長を務める党対外経済協力委員会では、日本の海外経済協力のあり方について、有識者を講師に迎え、議論を重ねている。

1)拓殖大学学長の渡辺利夫先生からは、被援助国の「自助努力」を支援する日本型援助の特徴や有効性について、2)平和構築の専門家である立教大学伊勢崎賢治教授には、アフガンで武装解除に従事された際の経験と課題について、3)慶応大学草野厚教授からは、資源獲得や日本企業の利益のためでない、長期的・大局的な視点に立った日本のODAのあるべき姿について講演いただき、出席議員と議論を深めている。本年春頃を目途に提言をまとめる予定だ。

○新JICA法改正

国際協力機構(JICA)に政府開発援助(ODA)の実施機能を一本化する。08年10月には、有償資金協力(円借款)の実施を担っている国際協力銀行の旧海外経済協力基金部門をJICAに統合するとともに、外務省が担当している無償資金援助の実施業務も引き継ぐこととなり、世界銀行に次ぐ、世界で第 2の規模の援助実施機関が生まれることになる。
途上国への海外援助をめぐっては、企画立案段階、実施段階のいずれにおいてもばらばらと批判があった。今後ODA予算の増額が見込めない中、日本外交の中核手段たるODAの効率的・効果的な運用のため、円借款、技術協力、無償援助の3つをJICAに統合する。政策金融改革の流れからもこの法案策定の先頭に立った。

○日中与党交流協議会

昨年10月8日、安倍総理は就任直後、電撃的に訪中した。その直後の10月16、17日に、王家瑞・中国共産党中央対外連絡部長を団長とする訪日団を迎えて、第2回日中与党交流協議会を開催した。
第1回会合は、国交正常化以来最悪といわれた今年2月、厳冬下の北京で開催されたが、東京での第2回会合は、開催日当日の秋空のように晴れ晴れと、和やかな雰囲気の中で行われた。
今回の日中与党交流協議会には、政府間交流では接触できない党の重要機関の閣僚級メンバーが含まれていた。「党が政府を指導する」中国では、党の政策機関が重要な意味を持っている。日中与党交流協議会のメカニズムをつかって、日中双方のより高いレベルの戦略的な対話を推進していくことが、政府間交流と両輪となる与党間交流の役割であると考えている。

行政改革推進へ
○社会保険庁改革

社会保険庁は、これまで、 加入者情報の漏洩、巨額の随意契約に絡む汚職、監修料問題、年金の支給ミス、38万件に上る国民年金保険料の不正免除など全国で不祥事が発生した。ところが、各地の社会保険事務所は事実を隠蔽し、1700人もの処分者を出した。やはり公務員組織のままでは、体質は改まらない。
そこで幹事長の下、特命補佐として、行政分野の民間開放を推進し、他の行政との間の垣根を越えた業務の見直しという観点から、現行の社会保険庁の分割、民営化案を練ってきた。
具体的には、主な年金業務を民間に委託し、公的年金にかかる財政責任・管理責任は国が担うこととするが、その運営(年金の適用・保険料の徴収・記録・管理・相談・給付)は、新たな非公務員型の公的新法人を設けて担当させる。強制徴収は、特に、悪質な滞納者については、国税庁へ移管し一元化できるよう取り組む。そして、国の管理部門の組織・人員は必要最小限度とする、というもの。
さらに今後政府においては企業の納付事務について負担の最小化を図るため、厚生年金、健康保険、労働保険、源泉所得税等について納付等手続きの共通化、簡素化を検討してもらいたい。

○ラジオ日本『中畑清の世の中なんでもクエスチョン』で、年金問題について語る

11月11日放送された『中畑清の世の中なんでもクエスチョン』にゲストとして招かれ、年金制度や社保庁問題について、メインパーソナリティである中畑清氏や視聴者からの疑問、質問にこたえた。

○行財政改革に資する電子政府構築

これまでさまざまな立場で、電子政府を推進してきたが、必ずしもその本来の目的である行財政改革に結びついていないのが現状だ。党 u-Japan特命委員会幹事長として、社会保険オンラインシステム、国税総合管理システム、人事給与システムをはじめ、電子政府の不透明な調達、非効率な運用に切り込んでいく。

○u-Japan特命委員会にて、米国サン・マイクロシステムズ本社会長 スコット・マクニーリ氏より講演

①オープンスタンダードによる調達の透明性と競争環境による産業育成、②オープンソースとコミュニティーパワーによる高度IT人材育成、③ネットワーク社会における国家レベルの情報セキュリティのあり方(セキュアOSとシンクライアント等)について、講演を頂いた後、出席議員と意見交換をした。

 

第165回臨時国会で成立した主な法案
○教育基本法改正

現在及び将来の我が国の教育をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、改めて教育の基本を確立するもの。
教育の目標として現行法の個人の価値の尊重に加え、公共の精神や伝統と文化を尊重し、それらは育んできたわが国の郷土を愛する態度を養うなど、現行法になかった「個と公の両立」を図る姿勢が明確に打ち出されている。

○防衛庁省昇格法

防衛庁は今年1月上旬に「防衛省」となり、防衛庁長官は「防衛相」になる予定だ。これに伴い、今まで、首相を経ていた法案提出や、海上警備行動発令の承認を得る閣議要求などは、防衛相が直接行うことになる。
さらに、自衛隊の国際緊急援助活動や国連の平和維持活動(PKO)、テロ対策特措法やイラク特措法に基づく活動、周辺事態での後方支援などが国土防衛や災害派遣と同等の本来任務に位置づけられる。


 

『国会活動報告 【1月】(pdf)』

 

ご意見、お問い合わせは伊藤達也事務所までお気軽にお尋ねください。また、もっと伊藤達也を知りたい!という方は、議事録などもありますのでご連絡ください。

電子メール…tatsuya@tatsuyaito.com