活動報告

「金融改革プログラム~金融サービス立国への挑戦~」を策定しました

金融再生から新たなステージに立って利用者重視の金融改革を進めていくために、「金融改革プログラム~金融サービス立国への挑戦~」として、その構想及び行政の新指針を取りまとめました。

本プログラムの基本的な考え方は、

第一に、我が国の金融システムを巡る局面が、不良債権問題への緊急対応から未来志向への局面に転換しつつある中において、金融システムの安定から活力を重視した金融行政へ転換をしていくべきであること、

第二に、金融のIT化が進むとともに、経済社会全体においてもインターネット取引の比重が高まり、また今後の少子高齢化、或いは経済のグローバル化の更なる進展に的確に対応し、我が国経済の持続的成長に資するためにも構造改革の一環として金融改革の具体的プログラムを実施していく必要があること、

第三に、将来の望ましい金融システムのあり方として、利便性、価格優位性、多様性、国際性、信頼性に優れ、利用者が手軽に分かりやすく、自分の望む金融商品・サービスを安心して受けられるような、利用者の満足度が国際的にも最高水準の金融システムというものを構築していくこと、

第四に、そのためにもITの戦略的活用により、販売チャネルの多様化やアクセスポイントの拡大に伴う利便性の向上、事務コストの低減等を通じた金融機関の収益性の向上等が進展をし、そして行政においても電子政府を推進し、利便性の向上と効率化において先進的な役割を果たしていくこと、

第五に、利用者の満足度が高く、国際的にも高い評価が得られるような金融システムを官の主導ではなく、民の力によって実現するよう目指すこと、

最後に、こうした改革を通じて国民の資産運用手段が多様化・効率化し、貯蓄から投資への流れが加速されることが期待され、マネーフローの構造改革が進展し、経済活性化に資するものとなると考えられること。

以上のような基本認識の下、本プログラムの中では五つの視点から今後進めるべき改革の内容を整理いたしました。

第一に、民の活力を引き出し、利用者利便性を向上させるための制度設計と利用者保護ルールの整備徹底

第二に、ITの戦略的活用等による金融機関の競争力の強化及び金融市場インフラの整備

第三に、国際的に開かれた金融システムの構築と金融行政の国際化

第四に、活力ある地域社会の実現に寄与する金融システムの構築

第五に、市場規律を補完する信頼される金融行政の確立

また、こうした施策を推進していくに当たり、今後における金融行政当局の基本的な姿勢として、

第一に、金融行政は市場規律を補完する審判の役割に徹すること。すなわち役所は民間の自由な経済活動をできる限り阻害しないことを基本としつつ、利用者が困った時にはしっかり対応すること、

第二に、そのため現行規制を総点検し、不要な規制を撤廃するとともに、金融行政の行動規範を確立すること、

第三に、その一方で利用者が不測の損害を被る事がないように、必要な利用者保護ルールの整備と徹底を図ること、

そして本構想を実現するために、ロードマップとしての工程表を今年度中に取りまとめて公表したいと考えています。