2006年の日本の一人当たりGDPはOECD諸国(30カ国)の中で18位。先進国クラブの中では「豊かな国」と胸をはれなくなりました。
成長が止まることは給料が上がらないだけでなく、商店の売り上げの低迷、年金をはじめとする福祉水準の低下などを意味し、財政再建も夢物語となります。世界への貢献どころか、日本がたそがれの国になってしまいます。
国民の皆様の危機感は大きくなっていると思いますが、決して絶望する必要はありません。日本の一人当たりGDPが2位とその繁栄を謳歌していた93年当時、オランダ、フィンランド、アイルランド、イギリスは13位、17位、18位、19位に低迷していました。ところが、これらの国々は2006年にはアイルランドの4位を筆頭に、9、10、11位にオランダ、フィンランド、イギリスが並び、共に躍進したのです。日本が18位になった今、危機を認識する以上に、復活した国々から勇気を感じるべきでしょう。萎縮し、悲観論だけを並びたてることは政治家の仕事ではありません。日本の可能性を信じ、古い制度やルールを変えられるのは、国民の皆様から力を与えられた立法府だけです。豊かな国となるための復活のシナリオを提示し、国民と共に汗を流す。政治家の責任の重さを再認識しております。
戦略の要諦は次の三点です。第一に身の丈にあった戦略。金融サービス立国戦略、情報化先進国、労働市場の改革、教育再生・・・復活した国から学ぶべき戦略は多数あります。ただし、それぞれの戦略をつまみ食いするだけではだめです。人口の規模、高齢化のスピード、地政学上の問題、産業構造や知的集積レベル等々を冷静に分析し、日本の身の丈にあった戦略が重要となります。
第二は総合戦略の重要性です。個別省庁の戦略の寄せ集めでは、地方分権や労働市場改革などの改革は進みません。党や政府の中に総合戦略を立案する組織を設置し、政治が強力なリーダーシップを発揮する必要があります。第三は行政への信頼の確保。政府が旗を振っても国民の皆様の信頼がなければ絵に描いたもちとなります。行政に対する信頼回復は急務であり、ムダの削減や公務員制度改革は非常に重要となります。
私は改革成長派の政治家として、単なるバラマキや耳障りは良いが無責任な政策には組しません。日本の復活のために政策の王道を提示し、国政の改革に貢献したいと思います。今年を日本経済復活元年とする。「日本、再起動!」伊藤達也の新年の思いです。