伊藤達也がメディアに登場しました!

金融経済新聞にインタビュー記事

金融機関のあり方「顧客ニーズで〝新陳代謝〟を」
伊藤金融担当相に今後の政策方針を聞く
活力ある金融システム 「民の力」 で実現

伊藤達也・金融担当相は18日、金融経済新聞とのインタビューに応じ、今後の地域金融機関のあり方について「地域の特性に基づき、選択と集中によって地域密着型金融を強化して警衛改善を進めていくべきだ」と強調した。また、活力ある金融システムを「民の力」で実現するために「健全な競争環境を整備していく」と述べるとともに、金融庁は「『フロントランナー』としての役割を果たしていく強い問題意識のもと、行政の効率化と適切性の確保を図っていきたい」
との見解を示した。主なやり取りは次の通り。

――リレーションシップバンキング機能強化計画の実践状況をどうみているか。

「すべての財務局を訪問したわけではないが、直接聞いた、あるいは報告を受けての感想は、地域経済を支える利用者からみても(金融機関が)変わってきたという評価を受けた。今後の地域金融機関のあり方からすれば、こうした努力をさらに継続する必要があり、引き続き臨む課題が3点ある。第1は事業再生や中小企業金融の円滑化に向けた取り組み、第2は地域金融機関の経営力をさらに強化していく必要性、第3は地域での利便性の向上だ。これらの課題に対するアプローチの仕方は、それぞれの地域の特性に基づいて、選択と集中のなかで地域密着型金融としての機能を強化する方向で経営改善を進めていくべきではないかということが、金融庁の一つの方向性であった」

「特に事業内容に対する評価能力を磨いてもらいたいという声は多い。地域金融機関の健全性への信頼を高めていくためにもリスク管理体制を充実していき、さらにコンプライアンス上の問題も昨年から今年にかけて続いているので、この防止の徹底をしっかりすることが重要だ。地域に根ざした金融機関として経営していく中で、収益力を高める仕組みを築くことが経営力強化の大きな柱になってくる。これを踏まえて、昨年末に公表した金融改革プログラムの一つの柱として打ち出した」

――金融庁が進めている「総点検プロジェクト」の推進状況は。

「昨年夏に中間的に取りまとめたが、全体的に言えば金融庁が発足して5年目に入り、陣容も3倍近くになったわけだから、発足当時の仕事のやり方では十分ではない。金融行政をめぐる環境も大きく変わった。そのことに対応した、より効率的で的確な金融行政を展開していかなければならないことが大きな方向性としてある」

「もう一歩踏み込んでいうと、『フロントランナー』としての役割を果たしていく強い問題意識のもとに、行政の効率化・適正化を確保していきたいと思っている。そのためにも、特に利用者との接点となるフロント部分の利便性の向上は大きな課題になる。また、金融庁の基幹業務の中で検査・監督は非常に重要で、さらなる効率性の向上と適切性の確保が求められる。ミドルオフィス分野においては政策の企画力を高めていかなくてはならない。
このフロント・バック・ミドルとした行政全体の業務の改革を果たすことによって、透明度が高く、予見可能性がしっかりし、信頼される行政を確立していきたい」

――偽造キャッシュカードによる犯罪が増えている。

「金融改革プログラムの中で、今まで以上に利用者重視の視点から金融システムに対する信頼性を向上していくことを明確にした。こうした観点から、金融機関は利用者からの信頼に応えていくためにも犯罪の実態に即した形で防止策を真剣に検討して欲しい。対応しなければ信頼の確保は難しくなるからだ。金融庁としては現在、金融機関にアンケート調査を行い実態把握に努めている。2月中に金融機関に実効性ある防止策を要請したい」

――金融業務への新規参入は積極的に認めていく方針か。

「活力ある金融システムを『民の力』で実現していくためには健全な競争環境をしっかりと整備していかなければならない。ただ、一方で、利用者保護のため(参入企業の)審査も大事だ。『活力ある金融分野』になっていくためには、ある意味での新陳代謝があり、そこでイノベーションが起き、常に利用者ニーズに的確に対応して、そのための競争が健全に行われていくことが非常に重要である。そうした視点から金融改革をより一層進めていきたい」