VOICE NET

■2008/07/02 voicenet ミニ 7月2日号

・社会保障の機能強化へ

およそ5ヶ月間にわたる議論の結果、社会保障国民会議の中間報告が6月19日にまとまり、福田総理にお渡しすることができました。ホームページでも公開しています。一人でも多くの方に読んでいただき、ご意見をいただくことができればと思います。

世界一の長寿の達成という大きな成果を挙げてきた日本の社会保障制度ですが、少子高齢化が一層進展し、医療・介護の現場で様々な問題が生じてきている現在、社会保障制度は、大きな転換点を迎えています。将来への不安を払しょくし、国民からの信頼と理解を得ていくために今、何が必要か。持続可能性に力点を置いたこれまでの改革成果の上に立ち、今後は社会保障の機能強化を図ることが進むべき道であるという、グランドデザインの方向性を明確にしたのが今回の中間報告です。

経済成長と財政規律の下で、「制度の持続可能性・安定性」を維持しながら、国民の安全と安心を支える社会保障を構築することが最大の課題です。そのためには、単に財源を増やせばいいのではなく、医療・介護・年金など、制度の担い手と受け手の間で、将来にわたって効率的にサービスが行われていけるような仕組みを再構築し、サービスの質と利便性、持続可能性を高めていくための改革に取り組まなければなりません。

秋の最終報告に向けて、年金制度、医療・介護制度、そして新たな子育て支援システムなどについて、更に議論を深めてまいります

改革の基本的な方向

(1) 社会保障制度の基盤充実
(2) 高齢期の所得確保、特に年金制度の長期安定
(3) 医療・介護サービス改革
(4) 未来への投資としての少子化対策
(5) セーフティネット機能の強化
(6) 制度への信頼回復・国民目線の改革

現役世代の活力の維持・増大
(1)若年雇用:  年長フリーター・ニート対策
(2)非正規雇用: 違法派遣、偽装請負の一掃
(3)能力開発支援: 学校、産業、地域との連携
(4)女性や高齢者の就労促進
(5)非正規雇用者への社会保険適用拡大

医療・介護サービス改革
(1)緊急対策
医療:産科小児科、救急医療、地域医療
介護:人材確保、居住系サービスの整備

(2)構造的な対策
○病院機能の効率化と高度化
+ 地域医療のネットワーク化
○地域包括ケア
(医療・介護・福祉の一体的提供)
○人材育成・確保と役割分担の見直し
○病院経営の効率化・高度化
○診療報酬体系の見直し

未来への投資としての
少子化対策
(1)ワークライフバランスの推進
○働き方の見直し:育児期
の柔軟な働き方、
男性の育児参加
○企業への浸透
:意義・メリットへの理解

(2)子育て支援サービスの充実
○利用者視点での運用改善
:4月の壁、小1の壁、小4の壁
○地域全体が支える仕組みづくり