12月2日~5日、ドイツがすすめるインダストリー4.0の取り組みや進捗状況を視察するため、訪独しました。
インダストリー4.0を中心となって進めてきた3つの業界団体、BITTCOM(情報経済・通信・新メディア連盟)、ZVEI(ドイツ電機電子工業連盟)、VDMI(ドイツ機械工業連盟)の関係者から、利害対立のある業界内・業界間をいかに取りまとめたか等、興味深い話しを伺うことができました。
また、66の研究機関の集合体であるフラウンホーファーでは、11月に開かれたITサミットを踏まえ、実際にどのような実証実験(テストベッド)を行なっていくか、またその方向性を伺いました。
他にも、インダストリー4.0を進めるシーメンス社や人工知能センターの工場を見学し、ドイツ最先端の技術に触れる機会を得ました。
インダストリー4.0を推進する経済エネルギー省の担当局長とは、国としてどのような支援が必要か等について意見交換を行いました。
今回の視察を通じ、改めてドイツのIoT(Internet of Things)に対するビジョン作りは、日本の数年先をいっていることを痛感しました。確かに、技術力だけに焦点をあてれば、ドイツと日本に大きな差はありません。しかしドイツでは、産業界が主体となり、インダストリー4.0を掲げ、国全体としてIoTによる競争力強化を目指しており、ここに日本とは明らかな違いが生じています。
IoTの進展が地方経済にどのような影響をもたらすか、中小企業はそれに対してどのように対応するか、国や地方自治体はどのような支援を行うべきかについて、大変示唆深い視察となりました。