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国会活動報告 【3月】

人のつながりが暮らしと地域を変える

私たちの暮らしのニーズは年々多様になってきており、行政がきめ細かいサービスを提供することが難しくなっています。

こうしたなか、問題意識を強く持っている方々の自発的な活動によって、個人や地方公共団体では対応が難しくなっている暮らしのニーズを満たす動きが拡がっています。特に、福祉、環境、教育、交通、まちづくり等の領域での活動が目立っており、介護や子育てなど家族内で解決できない問題を地域ぐるみで支援したり、防犯や防災に住民が結束して取り組んだり、魅力あるまちづくりに向けて市民が主役となった活動が行われています。

私もいろいろな場で、NPO活動をされていらっしゃる方々とお話をしたり、活動現場を見せていただく機会があります。それぞれ課題はあるものの、うまく住民のニーズをとらえて、行政では手の届きにくい新しい公共サービスの担い手として、いまや欠かせない存在になってきていることを実感しています。地域の活性化にも大いに貢献しています。

私は、金融・経済財政政策と同時に、市民活動や消費者行政、国民生活関係の分野も担当しています。6月に策定予定の今年47回目を迎える「平成16年度版 国民生活白書」では、こうした地域での活動をテーマとし、現状と課題を分析することにしました。一層の規制改革の推進等、国として 取り組むべき課題の克服に全力を尽くし、皆さんの活動の後押しができればと考えています。

※平成16年度国民生活白書では、先進的な活動事例として、三鷹市の不登校児の居場所づくりをされている文化学習共同ネットワークや、高齢者の起業自立支援を行っているシニアSOHO普及サロン三鷹などを取り上げる予定です。

◇障害者・高齢者の豊かな生活のために◇


NPOの活動をしっかりサポート

障害者や高齢者の社会参加を促進するとともに豊かな生活を送ることができるよう、地域のNPOなどが、そうした方々の外出を自動車で手助けをしています。

ところが、道路運送法上ではいわゆる白タク行為との線引きがあいまいな状態が続いていました。そこで昨年4月、構造改革特区制度を利用し、タクシー免許のない市民団体の移送サービスは地域限定で認定されたのです。

この規制緩和を、ぜひ全国に拡大してほしい、またその際、普通免許、自家用車での移送を可能にしてもらいたいとのご要望を、三鷹で活動をしていらっしゃるハンディキャブの方々や仙台出張で、現地のNPOの方から承りました。

こうした声を受け、関係省庁と折衝した結果、3月16日、国土交通省はNPO等の自家用車による有償運送を許可するガイドラインを通達し、4月1日より全国で実施できることとなりました。

◇生活達人見本市◇


構造改革の先の暮らし

物質的にはとても豊かになった日本ですが、未来に希望が持ちにくい時代とも言われています。

今、国を挙げて取り組んでいる構造改革がめざすのは、人を何より重視し、人の能力と個性の発揮を大切にして、人が活躍できる仕組みを築くことです。いいかえれば、「普通の人が普通に努力すれば、未来に夢と希望を持ち、安心して暮らしていける社会」を目指しています。

内閣府では、自分らしい生き方に近づくために、自分のやり方で自由に挑戦している「生活達人」の方々の暮らしをヒントに、未来の生活ビジョンを模索するため、全国で「生活達人見本市」を主催しています。1月24日の仙台につづき、3月21日に金沢で開催した「見本市」に参加してまいりました。

たとえ、何かにつまずいても途中から挽回することのできる社会、そして、そのような挑戦する勇気をお互いに励ましあい、皆で後押しするような社会をつくっていく必要があると思います。そうした社会は、がんばる人たちの行き方を広げることになり、真に豊かさを実感できるようになるのではないでしょうか。

皆が未来に夢と希望が持てる経済社会を実現していくための基盤整備に努めてまいりたいと考えています。

◇「日本改革前線マップ」◇


内閣府では、“新たな日本の芽”を可視化する仕組みとして「日本改革前線マップ」を創設しました。

「構造改革特区」と、地域コミュニティの中で活躍する「NPO」のコーナーがあります。 「生活達人」コーナーも近々始まる予定です。「NPO」のコーナーでは、「生活支援」、「次世代育成」、「防犯」、「就業支援」などで分類されていて、地図とリンクしたカードをクリックすると、各地のNPOの活動を見ることができます。 新たな社会づくりの“フロントランナー”としての全国のNPO活動を紹介していくことで、こうした新たな社会づくりの波、コミュニティから立ち上がる構造改革の胎動を可視化していきます。

この「日本改革前線マップ」は、参加者の方から大変興味深いという御評価をいただいておりますので、皆さんにも是非ご覧いただきたいと思います。

2004年3月


 

『国会活動報告 【3月】(pdf)』

 

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