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国会活動報告 秋号(9月25日号)

選挙公約の達成度をご報告します。

私は、93年の初当選以来、「具体的な公約を掲げ、常に改革への取り組みを報告すること」を自らの政治信条として、今日まで公約達成度の報告や国会会期ごとの活動報告をしてまいりました。今回は前回の総選挙(2000年6月25日執行)での公約に基づき、2002年8月作成の公約達成度報告書に引き続き、この1年間の「伊藤達也の公約達成度報告書」を提出します。

私はこれまで、「官主導体制を打ち破って、もっと民間の力を信じ、市民社会に根ざした活力ある国づくりを」という理想に向かって、初心を忘れず、全力で走り続けてまいりました。また「政治が決断すれば、日本は変わる」との信念を行動に移してきました。衆議院の経済産業委員会筆頭理事、党の経済産業部会長やe-Japan重点計画特命委員会事務局長等20以上の政策プロジェクトのメンバーや責任者として活動後、昨年10月から内閣府副大臣として、経済構造改革の推進と金融と経済の一体的再生、IT政策、中小企業対策の立案及び実行など、公約の実現に取り組んでまいりました。達成された政策も一人の力で成し得たものではなく、またこれは自己評価ではありますが、この1年間の活動実績をまとめ、皆様のご批判や評価の材料として頂きたく、本報告書を作成しました。

報告をさせていただいたそれぞれの取り組みが形となり、様々な改革が進行しています。中には既に法制化されたり、方向性が決まったりしたものもあります。しかし、まだ全ては達成できず、満足できるものではありません。これからも私は、現実をしっかり見すえ、公約の達成と理想の実現に向け、任期の限りあらゆる努力をしていくことをあらためてお誓い申し上げます。


VOICE NET 成績表

公約の達成度については、日頃からご指導いただいている明治学院大学法学部長の川上和久教授に評価していただきました。そして、改革をさらに推進するため、今後の課題や取り組みについても明らかにしました。皆様にご評価いただき、ご指導いただければ幸いです。

決断1「政府の仕事の徹底した見直し(行財政改革)」
決断2「行政機能の透明化(透明な社会の実現)」

(評価:A-) 

(1) 政治主導で改革実現!行政手続オンライン化法の成立とレガシーシステム改革(評価:A)
達成 e-Japan事務局長として、2003年度中に約52,000件にのぼる行政手続のほとんど全てがいつでもどこからでもインターネットを通じて行えるようになる行政手続オンライン化法(通則法)を成立させました。さらに、社会保険など年間10億円以上かかっている36の旧式の情報システム(レガシーシステム)について、政治主導で運用コスト削減を行っています。これらにより、行政の効率化、コスト削減、住民の利便性向上を実現する、スリムで質の高い政府を目指します。

課題 利用者本位で透明性が高く効率的で安全な行政サービスを実現するとともに、「電子政府の本質は行政改革」との理念のもと、政府の手続の徹底的な簡素・合理化を図ります。

(2) 「責任体制を明確化し、効率的な行政を」CIOの設置と電子政府構築計画の策定(評価:A)
達成 これまで各省庁が電子政府を推進する際、誰が責任を持ち、リーダーシップを発揮するのかが不明確でした。e-Japan事務局長として、各省庁に情報化統括責任者(CIO)の設置及びCIO連絡会議設置を提言し、実現しました。また、業務や行政手続を抜本的に見直すための計画がありませんでしたが、提言により、電子政府構築計画が策定されました。

課題
 CIOがリーダーシップを発揮して電子政府を推進しているか監視していくとともに、行政内部の業務の効率化、最適化を図り、IT化に対応した業務改革を実現します。

(3) 「官から民へ」に一歩前進 特殊法人改革(評価:B+)
達成 これまで党行政改革推進本部幹事や経済産業部会長として特殊法人等の改革に取組んできましたが、その成果が実り、163法人のうち118法人について廃止、独立行政法人化、民営化等が決まり、さらに2002年度から2年連続で特殊法人向け財政支出の対前年比1兆円削減を実現しました。また、①で述べた「行政手続オンライン化法」は、手続きにかかる手数料収入等に依存する特殊法人・公益法人の改革に不可欠なものです。

課題 道路公団をはじめとする残された課題を解決し、不透明な金の流れを断ち切って、より簡素・効率的・透明な政府の実現を目指します。

今後の取り組み
日本は今、働き手である現役世代が減少する一方、社会保障費が増大する少子高齢社会を迎えています。そのような中、約686兆円(2003年度末見込み)にも上る巨額の財政赤字をこのままにしていては、国民にさらなる負担を強いる結果となり、日本の活力を奪いかねません。政治が強いリーダーシップを発揮し、行政のムダをなくし、小さくとも能力の高い政府を実現して、日本の持続的発展を図るべきです。
これまでその目標のもと、電子政府の実現による手続等の効率化だけでなく、手続や業務自体の簡素化や予算の重複の排除を進めてきました。また、これまで全く手がつけられてこず、膨張し続けてきた特殊法人の改革を実現しました。今後もITによる行政の効率化にさらに切り込んでいくとともに、道路公団など残された特殊法人の改革を実現していきたいと思います。

決断3「活力と持続性ある経済社会の実現(経済構造改革)」
(評価:A) 

(4) 「金融と産業の一体的再生を」金融再生プログラムによる不良債権処理の進展(評価:A)
達成 金融担当の内閣府副大臣として、官主導の護送船団、密室行政から決別し、不良債権問題に正面から立ち向かい、金融危機を未然に防ぎ、金融と産業の一体的再生を図るための新しい政策の体系である「金融再生プログラム」を作成しました。さらに、「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」で、中小企業の再生と地域経済の活性化をめざした新しい中小企業金融の方向性を示すなど、強固な金融システムを構築するための取組みをすすめました。

課題 「2004年度中に不良債権比率を半減させる」との目標を着実に達成し、不良債権問題の正常化と産業、企業の再生を果たします。

(5) 「規制を取り払い、地域経済を活性化」構造改革特区の実現(評価:A)
達成 経済産業部会長として構造改革特区の早期実現を提言した結果、構造改革特区法が成立し、全国各地に様々な構造改革特区が誕生しました。地域自らの発意で規制改革を進めるとともに、効果が上がったものを全国に導入することで全国的な規制改革へと波及し、日本全体の経済の活性化につながる改革です。

課題 地域からの提案を積極的に受け入れていくとともに、効果をしっかりと評価し、高かったものを全国展開し、全国規模での経済活性化につなげます。

(6) 「民の潜在力を引き出し、国際競争力を強化する」知的財産戦略の推進(評価:A)
達成 安価な労働力等を背景に力をつけたアジア諸国に対抗するには、知的財産で武装し、付加価値の高い産業構造を作り上げ、国際競争力を強化していくことが必要です。経済産業部会長として提言したことで「知的財産基本法」が成立、さらに内閣府副大臣として知的財産戦略本部の議論に参加し、知的財産高等裁判所の創設など、今後の政府の知的財産政策の指針となる「知的財産戦略推進計画」を決めました。

課題 これまで埋もれていた知的財産を活用して新たなビジネスを次々と展開できるような、民の潜在力を最大限引き出せる知的財産立国の実現を目指します。

今後の取り組み
日本経済再生の足かせとなっていた不良債権問題の解決について、これまで何度も提言してきましたが、昨年10月の内閣改造において、金融を担当することになりました。不良債権問題の本質は、産業構造の問題でもあり、金融と産業の一体的再生のための総合的な政策が必要です。その考えのもと、「2004年度中に不良債権問題を終結させる」という目標に向け「金融再生プログラム」を作成しました。今後は着実に実施されているかしっかりと監視し、金融システムと金融行政に対する信頼を回復させ、経済構造改革を支えるより強固な金融システムを構築してまいります。
また今回、規制改革の一つの成果として、構造改革特区を実現できました。規制を改革することで、官主導の規制行政で封じ込められてきた民の潜在力を引き出し、経済を活性化させることができます。これまではIT分野を主な突破口として、ADSLや非接触型ICカード(JR東日本の「Suica」等)の普及など多くの規制改革を実現し、成果を上げてきましたが、さらに構造改革特区をもう一つの突破口として、経済効果の高い分野の規制改革を戦略的に実現していきたいと思います。

決断4「地域から国をつくり直す(地域主権の確立)」
(評価:B+)

(7) 「国から地方へ」の流れを作る 三位一体改革で地域主権の確立へ(評価:B+)
達成 地域主権を進めるためには、地方自治体の財政基盤や自立性の強化を図る必要があり、そのために国から地方への税源移譲、補助金の削減、地方交付税の見直しの3つを一体的に行う「三位一体改革」を進めています。これは、「地方にできることは地方に」の理念のもと、国と地方をスリム化するとともに、地方への規制を減らして創意工夫を促し、地域の活性化を実現するものです。

課題 今後の予算編成等で補助金削減を具体化し、地方への税源移譲を実現することで、地域が自立し責任を持って政策を実現する、地域主権の確立を進めます。

(8) 「民間の創意工夫を活用」PFI等による都市再生(評価:B+)
達成 都市再生本部では、都市を再生し、都心部を快適に住むことができる場とする取組みが進められており、私も内閣府副大臣として議論に加わってきました。そこで、都市再生プロジェクトを次々に決定し、民間の力やアイデアを活用したPFI(民間資金による社会資本整備)等による都市再生を進めています。

課題 地方自治体等の業務をアウトソーシングやPFIの形で民間に業務委託することで、新たな産業を生み出し、雇用を創出し、地域経済の自立・活性化を図ります。

今後の取り組み
これまでの中央省庁・官僚主導の縦割りで画一的な行政システムでは、地域は自主性をほとんど発揮できず、地域の活力が奪われてきました。「官から民へ」「国から地方へ」の考え方の下、地方の権限と責任を大幅に拡大し、民主導の自主・自立の地域社会からなる新しい行政システムに変え、地域に活力を取り戻さなければなりません。そのような考えの下、今回「三位一体改革」を実現しました。まだ国から地方への財源の移譲の面など不十分な部分があることは確かですが、これをスタートとしてさらに地域主権を推し進めていきたいと思います。
また、地域活性化の試みとして、都市の再生が行われています。バブル崩壊後、都市部には虫食い状態の低未利用地が散在するようになり、土地の有効利用を妨げ、都市から活力を奪ってきました。低未利用地を集積し、都市再生特別地区の設定や民間の力をうまく活用したPFI手法等を使って都市を再生させることで、地域を活性化させ、地域経済の発展を促します。

決断5「命ある全てを大切にし、潤いのある福祉社会の構築」
(評価:A)

(9) ITの利活用であらゆる人にとって安心・便利な世の中に(評価:A)
達成 今後のITの基本戦略を定めたe-Japan戦略Ⅱと、その実現までの計画を定めたe-Japan重点計画2003では、医療分野と生活分野を先導的取り組みの柱の一つにしております。ITを利活用し、電子カルテのオンライン化等により患者を中心に医療機関が連携して見守る体制の実現や、高齢者等の在宅健康管理の充実など生活の質の向上を目指しています。

課題 e-Japan重点計画2003を着実に実施し、「元気・安心・感動・便利」な社会を提案するとともに、以前から力を入れてきているチャレンジド(障害者)が自立できる環境整備をさらに進めます。

(10) 環境と経済を両立し、持続可能な循環型社会の実現へ(評価A)
達成 これまでも、フロン回収法等の作成・成立に尽力するなど循環型社会作りを推進してきましたが、循環型社会の形成に関する施策を総合的、計画的に進めるために、循環型社会形成推進基本計画を策定しました。また、省エネ・リサイクル支援法の改正を行い、従来はリサイクル対策等に限定されていた支援対象を、廃棄物の発生の抑制(リデュース)と再生部品の利用(リユース)等を支援対象に追加しました。

課題 企業、自治体、NPO等の様々な主体による環境配慮活動の促進、グリーン物品の市場の拡大、環境面での国際競争力の強化などを通じて、環境と経済の両立した社会の構築を図ります。

今後の取り組み
IT技術の発展は、我々の生活に様々な可能性をもたらしています。その可能性をまず高齢者や障害者、病気の人、子供など社会的弱者に振り向け、安心で便利な生活環境を実現したいと思っています。そして社会参加や自立を支援し、全ての人が自己実現できる豊かな共生社会を築きたいと考えています。
大量生産・大量廃棄型の社会は、有限の資源を大量に消費するばかりでなく、大量の廃棄物を生み、地球環境に大きな負担をかけています。地球と日本の美しく安定した環境を守り、次の世代に引き継ぐとともに、豊かな夢のある社会生活を実現するため、環境と経済が両立する循環型社会を構築することが重要です。廃棄物・リサイクル法制の改革をさらに推し進めるとともに、産業の環境化、環境の産業化、グリーン物品の市場の拡大等に、引き続き強力に取り組んでいきます。


最近出演したテレビ番組
これまで伊藤達也は駅頭での国政報告だけでなく、色々なテレビ番組に出演し、金融問題、中小企業対策、経済政策などについて持論を語りかけました。国会や政府の中だけでなく、外に出て多くの方々に対し、今行われていることやこれからの政策を述べる、これこそが伊藤達也にとって大切なことだからです。


最近の新聞記事

8月16日の朝日新聞に、金融担当の内閣府副大臣として金融問題に応えたインタビュー記事が掲載。「再生」を大きなテーマに、産業と金融が一体的に取り組むべきとの考えのもと、不良債権問題の解決と金融分野の改革への決意を述べています。

9月1日日本経済新聞最終面の「交遊抄」で、親友である俳優の今井雅之氏との思い出を語りました。「これまで互いに刺激し合い付き合ってきたが、それは演劇も政治も、いかに相手に思いを伝えられるかが勝負という点で共通しているからだと思う」とこれまでの交遊を振り返っています。


 

国会活動報告 秋号(9月25日号)1(pdf)』

国会活動報告 秋号(9月25日号)2(pdf)』

 

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