活動報告

燕三条・工場の祭典

燕三条 工場の祭典」が、10月4日から4日間の日程でスタートしました。燕三条地域の企業109拠点が一斉に工場・作業現場を開放して、ものづくりの現場を見学、体験できるイベントです。念願がかない、6回目の開催を迎える今年、はじめてこの祭典に足を運ぶことができました。

普段は見ることのない工場の中で、職人の方の匠の技に触れ、ものづくりに対する熱い思いやこだわりに接する貴重な体験となりました。

ここには、地方創生のヒントがいくつもありました。

まず、素晴らしい技術、匠の技があります。その技を、市場を見極めながら、デザインの力なども使い、一層魅力的な商品に磨き上げることで、新しい価値を生み出すことに成功しています。

中小企業が集積するものづくりのまちである大田区、東大阪市とこの10年間の製造品出荷額を比較すると、燕三条地域はほぼ横ばいの1%プラスである一方、大田区は43%マイナス、東大阪市は9%マイナスとなっています(工業統計調査より)。

燕三条のものづくりは世界でも高い評価を受けています。現在、イギリスで開設されている日本の魅力等の情報発信拠点「ジャパンハウス・ロンドン」でも最初の企画イベントとして、「燕三条-金属の進化と分化」展が開催中です。

東京2020で、一層、日本に世界の注目が集まります。日本のものづくりが世界の市場を開拓し、地域経済を元気にしていく拠点となるよう、しっかりと後押しをしていきたいと改めて感じました。

 

~~以下、facebookより~~

ダンボールとピンクのテープで5万人の人を集める、新潟県燕三条の工場の祭典が、昨日から4日間に日程でスタートしました。駅員さんもピンクストライプのTシャツを着ています。世界が注目するものづくり職人の技と心に触れることが出来る、素敵な祭典です。

サントクの愛称で人気のホーロー鍋を作る、三条特殊鋳工所。内山社長自らが、工場を開放して工程を説明してくれています。溶けた鉄を扱う鋳造の現場で、女性職人の方々が活躍しているのが印象的でした。

マルナオさんは、1939年創業で千枚通しや糸巻きなどの大工道具を手掛けてきましたが、福田社長が第2創業として食する道具箸を主力商品として開発、内外から高く評価されています。
従業員24名中14名が女性で、ここでも女性職人が先人の技術を受け継いでいます。出産をしても仕事に戻り現場を支えるママさん達が、ものづくりを支えていました。
小規模事業者でも、職人の手技を最先端技術と融合させ、女性の活躍を大切にしながら新たな価値を創造する素晴らしい事業展開です。

テレ東の和風総本家でも紹介され、世界一のニッパーメーカーを目指す、マルト長谷川工作所の長谷川社長、熱い人でした。KE IBAブランドの作業工具は、世界の工場で愛用されています。金属を叩いて鍛える鍛造や手作業で研ぎを行う刃付けなど、多くの工程を経る緻密なものづくりを間近に見ることができました。
爪切り総選挙でも切断力トップに輝き、世界に誇る爪切りブランド諏訪田製作所とのコラボも注目されています。

 

先月開館したロンドンのジャパンハウスでは、燕三条の金属加工技術をテーマにした企画展が、大変な人気です。
個性豊かな職人の姿に世界が感銘。そのお一人が、鍬鍛治として活躍する近藤製作所の近藤社長です。全国各地の地域性や個人の要望に応えた鍬が工場に展示されていて、これがモチーフになってロンドン・ジャパンハウスのホームページに燕三条の企画展が広告されています。
ピンクストライプのシャツが最も似合う職人さんでした。

木工職人憧れの道具をつくる、鑿鍛治 田齋。親子二人で鋼付けから刃研ぎまで行っていてます。20分以上に渡って鑿づくりを実演して頂き、その仕事は圧巻でした。

野崎忠五郎商店の野崎社長、常務にもお世話になりました。事業者や工房のあらゆるニーズに応えられる鉄鋼・非鉄の総合商社です。こうした存在が、世界が注目する燕三条の多様なものづくりを支えています。(板状の鉄ひと巻きで10トンの重さだそうです)

ノーベル平和賞も発表になりましたが、ノーベル賞90周年記念晩餐会で使用されたテーブルウェアを製作したのが、山崎金属工業です。山崎社長から直接、ものづくりに対する思いを聞かせて頂き、また親交のある歴代日本人受賞者のお話までして頂いてとても勉強になりました。
ユリ・ゲラーも曲げられなかったスプーンから、国内外から支持されるカトラリーまで、丹精込めた職人のものづくりは迫力がありました。

来年の工場の祭典実行委員長は、金属プレス、ストカの斎藤和也次長。農業にもっと多くの人が興味を持ってもらおうと、女性でも簡単に使える農工具一式を試作していました。
また、ものづくり後継者として、新たな価値をつくり出すためにも機械にペインティングをし、職場の一体感を盛り上げています。
ご子息の成長に社長が、頼もしくもあり寂しくもあり複雑な表情をされているのが印象的でした。