価格転嫁の現状と今後の対策について、自民党中小企業・小規模事業者政策調査会を開催しました。
エネルギー・原材料価格の高騰が続き、物価も1981年以来 約40年ぶりに4%台の上昇を記録する大変厳しい経済環境にあります。一方、物価の中身を見ると、依然、需給ギャップはマイナス、生産物価にはデフレ圧力がかかっています。中小企業の経営にとって、非常に厳しく難しい状況です。購買力を高め、経済を拡大するためには、「物価高に負けない賃上げ」を、中小企業も含めて多くの企業で実現することが極めて重要です。
中小企業が賃上げを実現するためには、まず、サプライチェーン全体として付加価値を上げていくこと、そして同時に、B to B、企業間取引の中で、適正な取引を実現していくこと、価格転嫁を行っていくことが極めて重要な課題です。
これまで、競争政策調査会長として公正取引委員会に、中小企業調査会長に就任してからは中小企業庁に対し、価格転嫁対策について有事の対応を求めてきました。具体的には、業種ごとに、また人件費や原材料費、エネルギーなどコスト分類ごとに、価格転嫁率を把握し、情報開示をしっかりと行うこと、指導監督にあたってもより踏み込んでいくことです。昨年11月の予算委員会では、総理に対し力強いリーダーシップの発揮を求めました。
今日、中小企業庁は、より一層自発的な取引慣行の改善を促し、下請け中小企業の振興を図るため、中小企業10社以上から回答があった発注側企業(約150社)について、各社ごとに、価格交渉や価格転嫁の回答状況を整理し、企業名を含め初めて公表しました。昨年末に独占禁止法に基づく調査結果を公表した公正取引委員会とともに、政府の最新の取り組み状況について報告を受け、さらに価格交渉・転嫁を後押ししていけるよう、精力的に議論を重ねました。
※表は、「中小企業に、主要な取引先を最大3社選択してもらい、1社ごとに、直近6か月(2022年3月~2022年9月)のコスト上昇分のうち何割を価格転嫁できたかについて回答を依頼。えられた回答を取引先の業種ごとに名寄せし、業種ごとの転嫁率を単純平均で算出したもの」です。