社会の課題解決と収益確保を両立する「ゼブラ企業」を応援しています。
10年前、地方創生を石破大臣(当時)と共に取り組んだとき、全国各地で、ビジネスモデルを磨き補助金に頼らず社会課題の解決に積極的に取り組む方々と出会いました。そして、こうした取り組みが地域や日本を変えていくのだと確信しました。その後、自民党社会的事業特命員会を立ち上げ、現在は中小企業・小規模事業者政策の中に「ローカル・ゼブラ」を位置づけて、骨太の方針にも反映させるなど政策を推進しています。
今年度は、ローカル・ゼブラ企業が持続的な成長を遂げ、地域中間支援者や地域の企業と連携して地域課題解決事業に取り組みながら、全国でローカル・ゼブラ企業を創出・育成するためのエコシステムが構築されることを目的とし、20件の実証事業が初めて採択されました。(令和6年度「地域の社会課題解決企業支援のためのエコシステム構築実証事業」)
今回、実証事業に採択された京丹後地域を訪れ、現場の課題やご苦労、国に求めることなど具体的にお話をお伺いしました。
▷ATARIYA
採択事業者である株式会社ウエダ本社が手掛ける丹後イノベーションハブATARIYAに伺いました。ここは京丹後地域の与謝野町で地域に親しまれてきた元料亭・當里家をリノベーションした施設です。
施設をご案内いただくとともに、ウエダ本社で与謝野町に移住された王リーダー、与謝野町の井上副町長、京都北都信用金庫で地域創生事業部長を長年務めてこられた足立常務理事、大学在学中に起業した株式会社ローカルフラッグの濱田社長などと意見交換することができました。
▷株式会社飯尾醸造
カンブリア宮殿にも紹介された131年の歴史あるお酢メーカー5代目の飯尾社長に蔵をご案内いただきました。
山の棚田で無農薬栽培したお米から作る日本一のお酢づくりは、地域に良質な雇用を生み出し、まちづくりを支えています。飯尾社長の「弱者の戦略」に感銘を受けました。
▷ASOBIBEER
株式会社ローカルフラッグは、与謝野ホップを使用したクラフトビールを製造販売し、与謝野駅前にブルワリー併設の店舗も運営しています。看板商品のASOBIBEERは首都圏でもスーパーやコンビニなどで目にした方もいらっしゃるでしょう。
2015年地方創生がはじまる契機となった増田レポート「地方消滅」を、濱田社長は大学1年生の時に読み、生まれ育った与謝野町のためになることをしたいと考え始めたそうです。当時、京都北都信金にも地域創生事業部が立ち上がり、濱田社長の熱い志にしっかり伴走支援をされてこられたことも伺いました。濱田社長が起業し、駅前に拠点を設け、まちが少しづつ変わり始めているといいます。
▷懇親会
夜の懇親会には、長野・野沢温泉で今回の実証に採択された株式会社野沢温泉企画の石田社長もわざわざ駆けつけてくれました。ヒロセ工業株式会社の廣瀬社長や株式会社ウエダ本社の岡村社長も参加して、皆さんの熱い志に触れることができました。
地方創生の立ち上げの2年間、大臣補佐官として制度設計はじめ試行錯誤をしながら取り組んでいました。10年を経て、京丹後の地で、豊かな実りを感じることができました。いま他の地域のゼブラの方々との連携も広がっています。ゼブラが群れになって、少しづつ社会や地域を変え始めている。その手触りを実感できた視察になりました。