活動報告

金融担当大臣を退任しました

10月31日、内閣改造により、金融担当大臣を退任しました。

2002年9月に金融担当副大臣となり、その後経済財政政策担当副大臣を兼務、昨年9月からは竹中大臣の後を任され、3年間にわたり金融行政に携わってきました。

副大就任時は、日本経済再生の大きな足かせとなっていた不良債権問題の抜本的解決が緊急かつ最大の課題でした。そこで金融再生を実現すべく「金融再生プログラム」を策定し、諸施策を展開してまいりました。関係者の血のにじみでる努力により「主要行の不良債権比率を02年3月期8.4%の半分程度に低下させる」という目標を、超える成果を達成し、この5月には「正常化宣言」を出すことができました。

不良債権処理という「緊急対応」を脱し、新たな金融行政の指針である「金融改革プログラム」を昨年12月に策定しました。これは、利用者満足度が高く、国際的にも高い評価が得られ、地域経済にも貢献できるような金融システムを官の主導ではなく民間の活力で実現することを目指すものです。

金融行政の転換期に、その重責を果たすことができました。この間各方面の皆様より賜ったご指導、ご鞭撻に心より感謝申し上げます。

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以下、退任時の記者会見での質疑応答(抜粋)です。

(問)金融担当相としてのこの1年2ヶ月を振り返っての御感想と、今後の金融行政の課題についてお伺いしたいと思います。

この一年を振り返ってみますと、まず総理からの御指示を踏まえて、金融再生の総仕上げ、そしてペイオフの円滑な解禁ということがひとつございました。この課題については、ペイオフ解禁も予定通り実施をさせていただくことができましたし、また、「金融再生プログラム」の目標を達成して日本の金融システムの信頼性を回復することができたのではないかと思っております。
また、中小企業の再生と地域経済の活性化に貢献できるような地域に密着した機能を強化していくという課題については、今までリレーションシップバンキングのアクションプログラムに基づいた諸施策を展開し、そして新しいアクションプログラムの下でそれぞれの地域金融機関の方々から計画が提出され、引続き取組みがなされているところでございますけれども、全体として進捗しているのではないかと思っております。
そして3つめは、国際的にも最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じて提供できるような金融システムを作り上げるという御指示でございましたけれども、この点についても昨年の12月に金融改革プログラムを策定、公表させていただいたところでありまして、金融再生を実現した後、利用者重視の国民の皆様方にとって満足度の高い金融システムを作り上げていく行政としての2年間の指針を公表させていただくことができたのではないかと思います。
このように総理の御指示をいただき、そして私自身取り組んでいかなければならないと考えた課題について、精一杯取組みをさせていただいて、一つ一つの課題を乗り越えていくことができたのではないかと思っております。
今後の金融行政の課題は、「金融改革プログラム」の諸施策を着実に実施して行くことによって、活力のある金融システムを作り上げていく、国際的にも高い評価が得られるような金融システムを利用者重視の観点から作り上げていく、そのことに大きな課題があると思っております。