2月13日、社会保障担当の内閣総理大臣補佐官に就任いたしました。
先週末、総理から「現在、社会保障制度の分野においては、国民生活に直結し、国民の関心が高い課題が山積している。これらの中には、たとえば、社会保障国民会議のように、幅広い視点から国民の目線に立って取り組んでいくべき課題も多い。金融行政や産業政策、IT政策に携わってきた経験も生かして、幅広く補佐をしてもらえないか」とのお話がありました。
週末、私なりに熟考した末、お受けすることとしました。
国民の最大の関心事は、何といっても年金・医療・介護などの社会保障制度です。現在の制度が想定してきた社会構造・財政状況が大きく変化する中で、少子高齢社会を乗り越えていく制度を再設計していかなければなりません。私自身は、これからの社会保障制度は、
(1) 制度間の重複や無駄が省かれ、本当に必要なものに必要な支援が行われるよう、制度が統合的に設計されること(効率性)、
(2) 行政が公平かつ的確に行われること(信頼性)、
(3) 多様な人々を幅広くカバーし、特定のライフスタイルを選択する者が不利とならないようにすること(柔軟性)、
(4) 制度の将来性に疑義が生じないように透明性の向上と明確なコミットメントを図ること。制度を担う将来世代を最大限尊重すること(持続可能性)、
(5) 地域や民間がより中心的、主体的に参加し、国民の目線に立った創意工夫が現場において生まれるようにすること(分権化)
以上の5つの点に留意が必要だと考えています。
「社会保障国民会議」については、7日の衆議院予算委員会で、まさに総理に質問をしたところですが、私は、国民会議において現在の問題点をゼロベースで検証し、給付と負担のバランス、将来の見通しについて正確かつ透明に国民に伝えるとともに、今までの専門家の議論だけでなく、働き方や家族のあり方など新しい動きを把握し、制度の新たな担い手の声を反映するように努める必要があると思っています。働き方や世代によってこれからの社会保障制度がこうなるのか実感できるような議論をし、またいくつかの選択肢を提示することも会議の大切な目的です。国民会議の主催者である総理を補佐し、従来の審議会などとは異なる発想を持って、会議の運営をはじめあらゆる対応をしてまいります。
また、年金記録問題では、可能な限り、厚生労働大臣をサポートしてまいります。その上で、私の金融担当大臣の頃の経験からすれば、システム問題も含めこうした問題が発生する場合は、組織のガバナンスにも原因がある場合が多いと考えています。そうした観点から、社会保険庁解体後に創設される新組織(日本年金機構)や新しいシステムのあり方がよりよいものになるように、総理をしっかり補佐していきたいと考えています。