活動報告

主要行の不良債権比率半減目標達成

過日、主要行の平成16年度決算が発表され、不良債権比率は2.9%となりました。これにより「金融再生プログラム」で示した「平成16年度には、主要行の不良債権比率を14年3月期8.4%の半分程度に低下させ、不良債権問題の正常化を図る」という目標を達成できました。

平成14年9月に金融再生を実現すべく、竹中大臣とともに金融行政を担い、バブル崩壊以降わが国経済の大きな問題となっていた不良債権問題を抜本的に解決するため、「金融再生プログラム」を策定しました。以来、金融担当副大臣として、昨年9月からは大臣として、プログラムを強力に推進してまいりました。関係者の血の滲むような努力によって、構造改革の最も中心的な課題であった主要行の不良債権問題の正常化を果たすことができました。

不良債権問題という負の遺産処理という緊急対応に一応のメドがついたわけですが、ほっと一息というわけではなく、むしろ、これまで十分にできなかった課題に本格的に取り組まなくてはなりません。つまり、金融サービスの利用者がより便利で質の高いサービスを安心して受けられるようにすることです。同時に、再び、不良債権問題が日本経済の足かせとならないようにすることが必要です。このため、新たな金融行政の指針として策定した「金融改革プログラム」を着実に実施し、「民」の活力を中心に、利用者満足度が高く、国際的にも高い評価が得られ、地域経済にも貢献できるような金融システムの実現を目指して、改革を進めてまいります。

※ご参考※

不良債権比率の推移

●大臣談話(平成17年5月25日)

- 主要行の不良債権問題の正常化にあたって -

1.主要行の平成16年度決算が発表され、不良債権比率は2.9%となった。これによって、「金融再生プログラム」において示された、「平成16年度には、主要行の不良債権比率を14年3月期(8.4%)の半分程度に低下させ、不良債権問題の正常化を図る」という目標が達成されたこととなる。

2.「金融再生プログラム」は、バブル崩壊以降我が国経済の大きな足枷となっていた不良債権問題を抜本的に解決し、構造改革を支えるより強固な金融システムの構築を目指すべく、平成14年10月に策定・公表された。それ以来、これまでの2年半の間、主要行の資産査定の厳格化、自己資本の充実、ガバナンスの強化といった目標や、産業と金融の一体再生の取組みなど、同プログラムに盛り込まれた諸施策を強力に推進してきた。

3.こうした取組みの結果として、最も中心的な課題であった主要行の不良債権問題の正常化を果たすことができ、また、その他の課題を含め、「金融再生プログラム」の目標が概ね果たされたことは、大変意義深く、また喜ばしいことである。

4.金融仲介においてリスクテイクは不可欠な一要素であり、そうしたリスクをいかに管理していくかは、引き続き金融機関にとっての重要な課題であることに変わりはない。金融庁としては、不良債権問題が再び発生し、それが経済の足枷となることのないよう、今後とも個々の金融機関の不良債権の状況やリスク管理態勢等を注視していくとともに、「金融再生プログラム」の残された課題についても、着実に取り組んでいく。それらを前提とした上で、今般、金融行政は不良債権問題の緊急対応から脱却し、将来の望ましい金融システムを目指す未来志向の局面(フェーズ)へと移行していく節目を迎えたと考えている。

5.今後、「金融改革プログラム」を着実に実施することにより、「民」の活力を中心に、利用者満足度が高く、国際的にも高い評価が得られるような金融システムの実現を目指してまいりたい。

以上